読み物の巻

「東京タワー~ボクとオカンと、時々、オトン」

 リリー・フランキー著。
これです、あたしが書きたくても書けなかったブックレビューは。
読みながら泣きに泣いた。
もう、自分のオカンへの気持ちを全部リリー・フランキーが代弁してくれてる感じ。
故郷を離れて、東京です好き勝手暮らしている自分にとっては耳の痛い所も沢山あった。

 自分が一番恐れていることは何だろう。
あたしにとって、それは自分の死ではなく、両親の死だ。
両親は普通に考えれば間違いなく自分より先に、死ぬ。
両親のいない自分の人生など考えられない。
だがそれを先人たちは皆,経験してきた。
あたしの父だって。
親が死ぬくらいなら、自分が死ぬ方がまだマシだ。
親不孝な発言かもしれないが、子どものいないあたしはそんなことを考えてしまう。
あたしは両親共々死にかけたことがある。
だからその恐怖を知っている。

 怖い、けど逃れられない事実。
それくらい親のことを愛しているのに、電話すれば喧嘩してしまったり、
親に迷惑や心配ばかりかけたりしている自分。
東京のぬるま湯に浸かりきって、抜け出せない弱い自分。

 読み進めるにつれてそんな情けない自分や、
それでもいつも自分を心配し、甘えさせてくれる両親の姿が見えてきて、
じゃあじゃあ泣いた。
親孝行はいくらしたって、きっと親が死んだときは後悔するんだろう。
孝行してもしつくせないほどの愛を両親があたしに与えてくれているからだ。
親元を離れて暮らしている人には是非読んで欲しい1冊です。
今年1番かもしれない。

 最後に、「東京タワー」より。
「母親がどんどん小さくなっていくのは、年をとるからではない。
子どもに自分の人生を切り分けているからだ。」

親は自分の人生を子どもに切り分ける。
でも子どもは親に人生を切り分けることはできない。

今日の心の1曲/言葉にできない 小田和正

「寄生獣」

img20050903.jpg 岩明均著。もうかれこれ10年程前の作品らしいが、普遍的な漫画だと思う。
あたしは漫画はあまり詳しい方ではないけれど、
この作品は漫画の中でも不動の人気を誇っているそうだ。
わかる気がする。
だって全てが「ちょうど良い」んだもん。

 まず10巻でちゃんと完結している所が良い。
面白くても伸ばし伸ばしにしている内にグダグダになってしまう漫画は数多ある。
そんなこともなく、最後まで緊張感を保っている所が良い!!

 次に張った伏線をちゃんと消化しきった所。
サスペンスは小説にしろ漫画にしろ沢山伏線を張りすぎると未消化のまま終わってしまうことがある。
だから読み終わったとき「アレ?じゃああれは何だったんだ?」という
歯切れの悪さが残ってしまうのだ。
「寄生獣」にはそもそも伏線は最低限しか張られていないから、
そんな感情を抱くことなく楽しめた。

 そして最後にやはり人間の本質を鋭くえぐっている所かな。
人間って宇宙一エゴの強い生物なんだってよくわかった。
それに、ミギーとの友情も泣けた。ホントに泣いた。
最高だったなぁ…。

 小耳に挟んだ話によると、ハリウッドで映画化されるらしい。
彼氏も言ってたけど、あたしも単なる「宇宙人VS人間」の映画になるような気がして怖い。
そんな軽いもんじゃないっての。
単なるオカルト映画になったらやだなぁ。
日本の漫画は世界中で大人気らしいけど、
日本人の繊細な感性を100%理解しているガイコクジンってどれほどいるんだ?

今日の心の1曲/パンと蜜を召し上がれ クラムボン

「ダ・ヴィンチ・コード」

img20050828.jpgimg20050828_1.jpg ダン・ブラウン著。話題作だったのに高いという理由で買えず、今頃読んでしまった。
どうしても読んでみたかったので借りました。
久々の海外小説だったけど、やはり評判通り面白くて、容量の割りに飽きずに読めました。
まぁ読了感もそれなりにあったし。
ダ・ヴィンチは昔から摩訶不思議なヤツだったという噂が絶えない。
実際、謎に満ちた人物だったんだろうし、とんでもない天才だったようだ。
そしてシオン修道会も実存したのだろう。
それについてはテレビでも見たので、読むのが楽しかった。

 ただね、一つ文句をつけるとしたら、下巻になった途端にペースダウンしたんですよね、明らかに。
だから上巻の方が圧倒的に面白かった。
サスペンスものって基本的にスピード感が非常に大切だと思うんです、あたしは。
だから後半になってグダグダになってしまったまま終わっちゃったのは残念でならない。
細かいところで「?」という釈然としない部分も残ってるし。
詰めが甘いというか、もう少し緻密さが欲しかったです。

 モナリザの謎というのはある種普遍的なもので、学者が躍起になってその謎を解こうとしているけど、解けたら解けたでつまらないんじゃないかと思う。
わからないから歴史って面白いのではないかとね。
こんなこと言うのは本末転倒だろうけど。
永遠の謎は永遠の謎であり続ける。
だから後世の人が色んな可能性を想像して、ロマンを感じ続けることができる。
もしも研究が進んで、ダ・ヴィンチの謎が解明されて、「実はダ・ヴィンチは凡人だった」とかわかったらめっちゃショックじゃん。
マルコ・ポーロだっていたことにしようよ。
とあたしは思うのであります。
 
 あ、でも卒業旅行でくまなく回ったウエストミンスター寺院についての細かな描写が出てきたので、個人的には「うぁー、そうそう、そうなってるんだよね。そこ見たわぁ。」という感動があり、嬉しくもありました。

今日の心の1曲/NANANAサマーガール ポルノグラフィティ

「四日間の奇蹟」

img20050824.jpg 朝倉卓弥著。最近映画化されたのでご存知の方も多いと思いますが、
第1回「このミス」大賞に選ばれた作品なんですね。
「このミス」はサスペンスやミステリ好きなあたしとしては、気になる賞だ。
という訳で、読んでみました。
別にストーリー自体はミステリでも何でもないんだけど、良い作品だったと思います。
しみじみとした感動があったというか。
でも、巷で言われているほど号泣!!って感じはしなかったなぁ。
読む前に映画化された(あたしは見てません。)というのもあるけど、
映像が頭にフワーッと浮かんでくるような文章だった。

 映画のキャストも見てみたんだけど、割かし自分のイメージと一致しましたね。
脇役も含め。
さっきストーリーはミステリじゃないって書いたけど、
何ていうか、生きているということ、また生かされているということ自体が
奇跡的なことで、人間はまさに摩訶不思議な力を持っているんだなぁ、と思いました。

 うーん、本屋に行ったら欲しい本がありすぎて困りました。
どうしよう・・・藤原伊織の新刊が面白そうだ・・・。
他にも死ぬほどあります。
・・・耐え切れずに今日単行本と文庫本1冊ずつ購入したが、
後は就職してからにしよう・・・。はぁ。
今、出ている本は今読まないと、どんどん鮮度が落ちてしまいます。
名作は普遍的なものです。
でも、作者としては常に「イマ」という瞬間を作品に込めているのです。
普遍的になるか否かはそれ以降の話。
だから、作者の意向を汲み取るためには、単行本でも怯むことなく買わなければ。
・・・だからお金がなくなっていくんだけどね。

今日の心の1曲/Alison Elvis Costello

「阿修羅ガール」

img20050806.jpg 舞城王太郎著。久々に舞城読んだ。
こういう文章は久々に読むと非常に疲れます。
読み始めはいつも彼のテンポについていけない。
でも、気がついたら彼のスピードや妄想の世界にどんどん巻き込まれてるんだな。
「阿修羅ガール」もそうだった。
徐々に彼の妄想ワールドに入ってって、お、来たな、と思ったときには時既に遅し。
彼のような文体の作家は多いけれど、
彼のような圧倒的なスピード感を持った作家はなかなかいないと思う。
舞城は好き嫌いはっきり分かれる作家なんだろうけど、
あたしはやっぱり好きなんだと思う。
新刊が出れば何だかんだで読んじゃうし、読みたいって思っちゃうし。

 それにしても「阿修羅ガール」、エェ締めだったわ。
あたし相当感動しました。
例によって滅茶苦茶に話は進んでいくんだけど、最後の章ではきっちり素敵な言葉を残してくれた。
嗚呼、最高。


 あ、それとiTunes Music Storeがスタートしましたね。
これ、ホントに便利ですね。
i-Pod欲しい…初給料出たら、絶対買おう…
持ってる人が憎い程羨ましいです。

今日の心の1曲/ファンタのCMの曲 スチャダラパー
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